富山赤十字病院

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スタッフのつぶやき

助産師の つ・ぶ・や・き (No.7)

パパ育休

北森 尚子  記

昨年から「産後パパ育休」が開始されました。産後のお母さんは授乳したり、抱っこをしてあやしたりと、ずっと赤ちゃんのお世話をしています。またお母さんの心はホルモンの急激な変化もあり、涙もろくなったりします。この時期 をお父さんと一緒に育児をしていくことはお母さんにとってはとても心強いことです。
 当院では退院の日にお母さんに沐浴の練習をしてもらっています。5月からお父さんの育児参加を応援する試みとして、お父さんの沐浴の練習を始めました。約半数の方から希望があり、実際に沐浴を行ったお父さんからは、「ドキドキしたけど、家でもできそう。」という声があり、好評です。ある初産婦さんのご夫婦の沐浴の練習に立ち会った時のことです。沐浴の準備ができ、いざお父さんに沐浴を入れてもらおうとした時です。赤ちゃんがウンチをしていたので、オムツ交換をしなければいけない状況でした。お父さんは初めてのことなのでどうしたらよいかといった感じでオロオロされていました。私はお父さんにオムツ交換の説明をしようと思っていたところ、お母さんの方からお父さんにオムツ交換の方法の説明をはじめました。私はこの姿を見て、このように夫婦で協力しながら育児をしていくことで、少しずつ親になっていくのだなと改めて感じることができました。
 働く女性が増え、親世代は仕事や介護をしている今の時代、子育てを夫婦2人で頑張りたい方や夫婦2人で頑張らなければいけない方には、「産後パパ育休」は欠かせないシステムです。ご夫婦が一緒に育児する楽しさや喜び、赤ちゃんの成長を感じながら、大変な時期を一緒に乗り越え、お父さんは「取得してよかった」と、お母さんは「お父さんがいてくれて本当に良かった」と思える産後パパ育休にしてみませんか。
 

助産師の つ・ぶ・や・き (No.6)

院内助産に立ち会って

松谷 佳穂  記

赤ちゃんを産む場所といえば、皆さんはどこを思い浮かべますか?ドラマでよく見る分娩台をイメージされる方が多いかもしれません。当院では、「自然の力で自然に産みたい方」、「自分らしい自分のお産を希望される方」のために、院内助産を行っています。院内助産では、女性に備わった力を最大限に発揮するために妊娠中から身体作りを行い、どんな場所でどんなお産にしたいかお母さんと赤ちゃんが主役となって考えます。いよいよお産となれば、これまでじっくりと考えてきたバースプランをもとに、好きな姿勢で赤ちゃんの存在を感じながら、ゆっくりと赤ちゃんを待ちます。無理にいきむことも、必要のない医学的処置も行いません。
 これまで、コロナ感染拡大の影響を受け、院内助産を制限させていただいていましたが、先日、久しぶりに院内助産が復活しました。助産師3年目の私にとって、初めての院内助産の立ち会いでした。そのお母さんは、お布団の上で思うままに姿勢を変えながら過ごされ、無理にいきむことなく、自然の力で少しずつ赤ちゃんの頭が見えてきました。そして、待ちに待ったその時、お母さんは赤ちゃんの方へ手を伸ばし、自分で赤ちゃんを取り上げたのです。そのまま赤ちゃんをぎゅっと抱きしめている姿は幸せそのもので、とても感動的な瞬間でした。
 私自身もこんなふうに赤ちゃんを迎えられたらいいなと、未来の自分を思い描くとても素敵な経験をさせて頂きました。そして、助産師としても、もっと自由に自分らしくお産がしたいお母さんに寄り添うことができるようパワーアップしていくぞ!と改めて気合いの入る院内助産でした。大切な瞬間に立ち会わせて頂いたお母さんと赤ちゃんに感謝の気持ちを込めて。
 

助産師の つ・ぶ・や・き (No.5)

リモートでつながるお産

野村 正子  記

当院では、今まで多くの産婦さんが夫立ち合い出産を希望され、立ち合い出産を行ってきました。夫立ち合い出産のメリットとしては、産婦の安心感、夫の父性の芽生えや妻へのいたわりにより家事や育児への協力度が増すことなどがあげられています。
しかしながら今年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大にともない、当院でも感染予防のために立ち合い出産を中止せざるをえなくなりました。それは、助産師としても残念でならないことでした。
そのかわりとして、今ではリモートという方法で、夫にお産の状況を見て、聞いて、感じてもらい、励まされながら出産をし、夫とともに感動を分かち合うというスタイルが定着してきました。先日も、リモートで夫とつながり出産をされた方がいました。赤ちゃん誕生の瞬間、産婦さんは感動で涙を流し、それを見た夫も感動で涙を流し、その夫の様子を見た産婦さんもより感動して泣いておられました。助産師としても心が温まる感動的な出産でした。
   リモートを活用する場面で助産師は、出産時のケアが落ち着いた段階で、産婦さんのスマートフォンで産婦さんと赤ちゃんの写真や動画を撮るお手伝いをしています。
産婦さんの中には、里帰り出産のため夫が遠方におられる方や、近隣にお住まいであっても夫や家族の方が上のお子さんのお世話をするために自宅を離れられない方もおられます。そうした産婦さんでも、リモートを活用すれば夫や家族とつながる出産が可能になり、産婦さんの不安が少しは軽減されるようになったとも感じています。
いずれにしても、新型コロナが早く終息し、産婦さんとご家族が安心して出産育児をできる日がくることを願ってやみません。

 







 

 

助産師の つ・ぶ・や・き (No.4)

「母乳育児ワークショップ」に参加して

郷谷さとみ 記

『赤ちゃんにやさしい病院(BFH)』の認定から3年間が経ちました。赤ちゃんがお母さんの胸に抱かれて、安心した様子でおっぱいを飲んでいる姿を見るととても幸せな気持ちになります。この幸せな時間を多くの人に感じてもらいたいと、私たちは日々どうすればもっとより良い母乳育児支援ができるのだろうかと、話し合いをしています。
今回、病院内の助産師と医師、看護師、薬剤師、栄養士などが集まり、「母乳育児ワークショップ」という会を開き、交流を深めました。
その目的は、
1)母乳育児支援へのモチベーションを上げる、
2)スタッフのチームワークを強化する、
3)スタッフ間での情報交換するためです。
母乳育児支援について、日頃感じていることや考えをグループになって、お菓子を食べながらお茶を飲みながらワイワイと楽しく話し合いました。笑いあり、個人的な体験談あり、母乳育児に関する熱い思いを語るあまりヒートアップするグループもあって、盛り上がりました。
赤ちゃん・ママ・パパ、そして親子を支える家族、みんなが楽しんで母乳育児ができますように!!今後もスタッフみんなで母乳育児について話し合い、自分たちも楽しく母乳育児支援ができるように考えていきたいと思います。

第2回母乳育児ワークショップの様子
開催日:平成25年2月19日(火) 参加者:31名

助産師の つ・ぶ・や・き (No.3)

沐浴

東條あさみ 記

夏だけでなく、冬でも富山のような雪国では外の気温が低いと赤ちゃんが寒いのではないかとたくさん洋服を着せてあげたりすることがあると思います。赤ちゃんは新陳代謝が良いので汗をよくかきます。汗をかくと、赤ちゃんのお肌はデリケートなので、湿疹が出来やすいです。お風呂にいれてきれいにしてあげることで湿疹を予防しまたできてしまった湿疹は少しずつ良くなっていきます。赤ちゃんをお風呂に入れてあげることを「沐浴」といいます。また赤ちゃんはお母さんのおなかの中にいたときに羊水にぷかぷかと浮いていました。沐浴中に、ぷかぷかしていると赤ちゃんはお母さんのおなかの中にいたときのことを思い出して安心します。

沐浴の後、赤ちゃんはとっても気持ちよくなり、お母さんのおいしいおっぱいもたくさん飲んでくれます。おっぱいをたくさん飲んで、お母さんのぬくもりやにおい、やさしい声に包まれながら心地よくぐっすり眠ります。そんな赤ちゃんをみて、お母さんもまたやさしい気持ちになれると思います。

病院では赤ちゃんを生後3日目に沐浴を行います。一昔前までは「産湯」といって産まれてすぐに沐浴を行っていましたが、赤ちゃんは体温の調節が上手くできないので熱がさがったり、赤ちゃんについている脂(胎脂)は赤ちゃんの皮膚を守る役割をしていることから、3日目が初めての沐浴となります。また、生後3日目くらいになるとお母さんのおっぱいは出はじめてきます。沐浴でエネルギー消費をした分、赤ちゃん自身がおっぱいを飲んでエネルギー補給を行います。そのときにお母さんには赤ちゃんがお風呂に入るところをそばで見てもらい、退院前にお母さんに赤ちゃんをお風呂に入れる練習をしています。おうちに帰ってからは毎日赤ちゃんをお風呂に入れてあげて赤ちゃんとの楽しいスキンシップをはかれるようにスタッフがお手伝いしながら行いますので安心して一緒に赤ちゃんをお風呂に入れてあげましょう。

助産師の つ・ぶ・や・き (No.2)

母子同床

野原和美 記

母子同室とは、お産後すぐから、生まれた赤ちゃんとお母さんが同じお部屋で、ずっと一緒にいることです。赤ちゃんがおっぱいを欲しがるとき、オムツを替えて欲しいときなど、赤ちゃんの要求にすぐに対応してあげることができます。
母子同床(ぼしどうしょう)といって、お母さんのお布団で赤ちゃんと一緒に休むと、赤ちゃんの小さなしぐさ、表情の変化もわかるので、さらに赤ちゃんの要求に対応してあげられます。
「赤ちゃんをつぶしそう」「気になって休めないのでは・・」と、はじめは心配されるお母さんが多いですけど、常に自分の目に届くところに赤ちゃんがいて、いつでも顔を見ていられること、話しかけてあげられること、抱いてあげられることは、お母さんにとっても、赤ちゃんにとっても、すごく安心なことです。
赤ちゃん1人を赤ちゃんベッドに寝かせると、すぐに泣いてしまうけど、お母さんと一緒にお母さんのお布団に寝かせると、よく寝てくれることは多いです。
お腹の中にいたときは、ずっとお母さんと一緒でした。生まれてからも、赤ちゃんはお母さんと一緒が安心です。お母さんのぬくもり、におい、心臓の音に包まれていたいのです。
母子同室中はスタッフが頻回に訪室させてもらいます。安心して母子同床をしてみて下さい。

助産師の つ・ぶ・や・き (No.1)

カンガルーケア

久道晴美 記

カンガルーケアをするとあかちゃんはお母さんの胸に抱かれて安心します。安心することで泣かないため呼吸や脈拍が落ちつきエネルギーの浪費を防ぎます。また抱かれることで保温され体温も一定に保たれます。そして自らおっぱいを探そうとするしぐさも見られます。こうして生まれてすぐにあかちゃんを抱くことで母と子の愛着形成が促されます。おっぱいを吸われることで子宮の収縮を促し産後の回復もよくなります。

※当病棟でも分娩直後に(帝王切開術も)カンガルーケアをおこなっています。カンガルーケア中は、スタッフがお母さんとあかちゃんの側で見守り、必要時お手伝いをさせてもらっています。

ほっとぴっくす

つらい陣痛をのりこえて、待ちに待ったあかちゃんの誕生。あかちゃんの産声と共にお母さんは安堵と喜びとで、とてもすてきな表情にかわります。
一方あかちゃんは、10ヶ月のあいだ守られてきたお母さんのお腹の中から別世界にやってくるわけです。不安でいっぱい。生まれてすぐにお母さんに抱かれ、肌と肌でふれあうことやおっぱいを吸うこと、お母さんのにおいで安心するのです。
わが子をしっかり胸に抱きしめるお母さん、そして安心したあかちゃんの様子は本当に自然な姿そのものなのです。